個性的な斑紋や鱗模様を持つヘビ革は、皮革ファッションには欠かせない素材のひとつです。ヘビは地球上に、11科417属2389種存在すると言われています。ワニ、トカゲ等に比べて、ワシントン条約上、取引可能な種は数多くありますが、革製品用として利用されている代表的なものがダイヤモンドパイソンとモラレスパイソンです。ヘビを含む爬虫類には、独自の鱗のほかにその種独特の斑紋・模様を持っています。種によって斑紋を活かしたり、需要により斑紋を薬品処理で脱色する仕上げがあります。
ダイヤモンドパイソン
Reticulated Python (商業名)
一般和名: アミメニシキヘビ
学術名: Python reticulatus
特徴
全身にダイヤ型の連続的な斑紋・模様があるところから、ダイヤモンドパイソンと呼ばれています。皮質の丈夫さや、大きさの点では利用度も高く、他の皮革には見られない美しさと、ワイルド感があります。
主な用途
腹部を割き背部を活かしたFront Cut Type(フロントカットタイプ)と、背中を割いて腹部を利用するBack Cut Type(バックカットタイプ)があり、バッグ類・靴・ベルト等に幅広く利用されています。
生態や生息地
タイ、ミャンマー、ベトナム、カンボジア、マレー半島、インドネシア、フィリピン、中国南部等、アジアの熱帯地方に広く分布しています。
革のイメージ
モラレスパイソン
Molurus Python (商業名)
一般和名: ビルマニシキヘビ
学術名: Python molurus
特徴
全身に不規則な図形模様があり、その個性的な斑紋模様が、ファッション界で人気を得ています。皮質の丈夫さ、サイズが大きいなどの利点もあり、アミメニシキヘビ(ダイヤモンドパイソン)と共に、ヘビ革の主力として、幅広く各種製品に使用されています。
主な用途
幅広く各種製品に使用されています。沖縄の蛇皮線は、この皮が使用されています。
生態や生息地
インド、ミャンマー、タイ、ボルネオ島、ジャワ島、スンバワ島、セレベス島、中国南部等の熱帯地方があげられます。