天然素材の中でも、第一級のスペシャルレザーとして、デザイナー達の創作意欲をかきたてるのがオーストリッチ(駝鳥)革です。高級化、個性化時代にあって、野性味の中にエレガンスさを秘めた風合いが好まれています。数百年前には、ダチョウの仲間は9種も生息していましたが、現在ではダチョウ目ダチョウ科1種のみです。野生のものは、中央アフリカ、シリア、アラビア等の乾燥地帯に分布していますが、減少傾向にあるため、南アフリカのクライン・カルーと呼ばれる地域では、積極的なオーストリッチの飼育が行われ、皮革用として計画的な生産と、理想的な管理がなされています。
オーストリッチ
Ostrich (商業名)
一般和名: ダチョウ
学術名: Struthio camelus
特徴
オーストリッチの皮は、羽毛を抜いた後の丸みのある突起した軸痕(Quill Markクイルマーク)が他の皮革にない、ユニークさをもっています。強靱な皮質で重厚さもあり、立体的な革の特性を活かして、高級品向け素材として幅広く使用されています。仕上げは、主にクラシックフィニッシュ(Classic Finish)と言われるクイルマークと革を同じ色で染める半マットタイプの顔料仕上げと、サドルフィニッシュ(Saddle Finish)と言われる染料染めの革の表面をブラッシングにより艶を与えて、革らしさとクイルマークを強調した仕上げが主流です。脚部の皮は、レッグと呼ばれ、爬虫類に似たウロコ状の模様が特徴となっています。
主な用途
ハンドバッグ、小物、ベルト、靴等に幅広く使用されています。
生態や生息地
南アフリカ。最近ではヨーロッパ、北米、オーストラリア、中国、イスラエル等々で飼育農場が増加しました。日本でも養殖しています。